少年とタタミ王国へ来て、約3ヶ月。
黄色の国からやってきて考えていた。
ビーンズ王の言われる通りに王子を連れて来た。しかし、少年に剣を教えたがあまり上達もせず、興味のあるものといえばギターを弾き歌う事や、動植物に話しかける事。優しい少年に育ってきた。この優しい少年が王国を助けられるのかが気がかりだった。あの時から7年経ったが、まだ早いのではと悩みながら、タタミ王国の城の扉を叩いた。すると、いかつい男が出てきた。
「どなたですか?」
見た目はいかついが、優しいゴンが出てきた。
「私は、ソラと言います。ターミー様にお話しがありまして…」
「どのような内容で?」
「“ラッシュ王”の事とお伝えいただければわかります。」
「ラッシュ王?」
ゴンは驚いた。
「解りました、お待下さい。」
急いでターミーのところへ行った。
「ターミー様、ソラと言う者が訪ねて来ております。なんでもラッシュ王の事でやって来たと言っております。」
すぐにターミーは読んでいた本を閉じ、ゴンの方を見た。
「ラッシュ王のことだと?ソラ…、聞いたことのない名じゃ。」
ビーンズ王国からの騎士か…少し考えた。
「ゴン、中へ通してくれ」
「はい」
ゴンはソラを客間に案内した。
「こちらでお待ちください。」
「どうもありがとう。」
ソラはニコリと笑って言った。
客間から出てきたゴンを捕まえてトンが聞いた。
「誰なんだい?見かけない顔だけど…」
「ソラと言う名らしい。」
通りかかったチャンが言った。
「あの人、ソラと言うのか。」
「知ってるのか?」
ゴンが聞くと
「少し前に見かけたことがある。カオリと同じくらいの男の子と一緒だったよ。」
「そう言えば、カオリ様が転校生が来たと話していたけど、その男の子じゃないかな。」 |
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「ゴホン!」
トンの横をターミーが咳払いをし、通り過ぎた。そして、横目でチラリと見ながら客間に入って行った。3人は、黙ってそれぞれの場所に戻った。
「私、ソラと言います。」
「私はターミーです。始めまして。」
二人は握手をした。
「ソラ、どの様なご用件ですか、ラッシュ王と知り合いなのか?」
「私はビーンズ王国から来ました。」
「ビーンズ王国。」
ターミーは、思った通りと聞き返した。
「もしかして、王子と一緒なのかね?」
「そうです。七年前、王子と一緒に黄色の王国に移り住み、ビーンズ王の言い付け通り、タタミ王国へやって来ました。」
「使いの者に、情報を入れてもらっておる。そろそろ訪ねてこられる思っておった。名前は…王子は元気かね?」 |
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「名前はピースです。毎日楽しく学校へ通っています。友達も沢山できたようで。プリンスカオリと同じクラスのようです。」
「元気にしておられるようじゃな。良かった。」
「ビーンズ王国を助けるために、動く時が来たのです。ターミー様!こちらの王国のラッシュ王とフレグランス妃もお助けしなければ…」
「ビーンズ王国は今、どの様な状況なのかね?」
「はい、相変わらずピョンは人々に過酷な労働を強いられているようです。ラッシュ王、フレグランス妃の他に私の仲間、ビーンズ王国の部隊長と数名も捕らわれております。一刻も早く助け出さなくては…」
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「勇敢な者をそろえなければならん。しかし、伝説の勇敢な騎士とは誰なんじゃ…とにかく早く先に進めなくては、七年もの間皆を待たせたのだ。」
ターミーは考えた。
「勇敢な戦士を選ばなくては。」 |
「私、ソラを含め数名…それからビーンズにも勇敢な者がおります。」
「そうか、これからじゃな…」
ターミーは窓の外をじっと見ていた。
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